今まで、誰も教えてくれなかった インテリアデザインのノウハウ

< 第4章 インテリアデザイン・プレゼンテーション編 > 7


◆店舗作りが手探り段階のクライアント 2



「本当は、どのお店を参考にすればいいの?」
「いったい、どんなデザインなら、OKしてくれるのかなあ?」
「????????????」


会社の上司に相談しても、スッキリした返事は返ってきません。ただ、

「クライアントさんと、よく打ち合わせして、トラブルの無いようにしてください。」

ただ、こんな一言だけ。
自分でもどうしていいかわかりませんでした。まったくのお手上げ状態でした。


そんなこんなで、決められていたお店の、オープン日もせまってきて、スケジュール的にも
相当きびしくなってきました。

とうとう、クライアントの方から


「もう時間もない事だし、このデザインでやってください。」と、

以前わたしがプレゼしたプランが、目の前に出されてきました。

「・・・・・・・・・・!?!?
そうですか。それではこのデザインで、やらせていただきます。ありがとうございます。」


それから、超特急で、図面書いて、施工業者と打ち合わせして、なんとか、工事終了。
あ〜あ〜、やれやれ。やっと、終わった。なんでこうなっちゃうの教えて。
・・・・・ハッ、ハッ、ハッ・・・・ 苦笑。

後に残ったのは、デザインを完成したときの充実感でなく、ただの空虚感。
ただ、クライアントに振り回された、脱力感だけが残りました。


では、どうしてこんな事に、なってしまったのでしょうか?

あなたは、どうしてだと思います?

わたしは工事が完了して、しばらくしてから、頭を冷やして考えてみました。

クライアントが、わがままなのでしょうか?

いえいえ、違います。
実は、一番の原因は、わたしにあったのです。


それは、クライアントがお店にたいするデザインイメージを、明確に持っていなかった事。
この事をわたしが、きちんと把握していなかったからです。

クライアントが具体的に、デザインイメージがないなら、
わたしの方からデザインイメージを、ハッキリ提案すべきだったのに、
それをしなかったからです。

わかりやすくいうと、クライアントがどんなデザインにしようか迷っているのに、


「クライアントさんが、お困りのところは、こんな方法で解決したらどうでしょう。」
「こんなお店のデザインにしたほうが、いいですよ。どうしてかというと・・・・・・・・・・。」


と、明確に提案できなかったこと。


調べてみると、この企業が、それまで出店した店舗は、全てデザインが違っていました。
15店舗以上出店しているにもかかわらず、似たようなデザインの店舗は、
一軒もないのです。
いつも、新しいデザインの、店作りに取り組んでいるわけです。

店舗出店の計画のたびに、クライアントとデザイナーの間で、
以前に出店したデザインとは一切関係なしに、まったくのゼロからのスタート。

そのたびに、いろいろ試行錯誤しながら、デザインが進められていた事が想像できます。
クライアントの、その時の苦労が想像できます。




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