今まで、誰も教えてくれなかった インテリアデザインのノウハウ |
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< 第3章 インテリアデザイン・プランニング編 > 4◆施工現場のチェックインテリアをデザインする場合は、クライアントの要望を把握するのと同じくらい、 実際に現場を確認しておく事が必要です。 必ず、巻尺を持って現場の寸法を測っておく事をお勧めします。 あなた自身が現場を実測する事により、現場の細かいところまで把握する事が出来ます。 事前に、注意すべき所がわかりますので、 現場の状況に応じたデザインを考える事が出来ます。 もし、現場の状況を確認せずにデザインした場合には、実施図面で書いたデザインでは うまく納まらず、施工できない事もでてきますので、注意が必要です。 よく、現場に足を運ばずに、建物の建築図面だけを見て、いきなりデザインを 始める人がいますが、これは避けたほうがいいですね。 特に建物が古い場合などは、建築図面と現場が、かなり違っている場合が 結構あるものです。 この事は、わたしも、たびたび経験することです。 時には、建築図面で表記されている柱が、現場で確認すると1メートル近くも づれていたり、またある時には、天井高の表記が2700ミリなのに実際は 2550ミリだったりします。 このように間違った建築図面の表記を、そのまま信じてデザインしたら、 どうなるか想像できますね。 柱が1メートルもずれていれば、かなりのデザインの変更が必要になってきます。 下手をすれば、レイアウトを全て変更して、デザインも大幅な見直しの 可能性もでてきます。 建物の構造物はいまさらどうしようもありません。 デザインを現場に合わせるしかありませんから。 せっかく、クライアントにプレゼンテーションして、了解をもらったデザインも、 これでは何のためか、わからなくなってしまいます。 あなたが、せっかくデザインしたのに、現場でトラブルがあっては、お話になりません。 それに、一番肝心なのはクライアントの信頼をなくしてしまう事です。 せっかくあなたを信用して、デザインを依頼したのに、それを裏切る事にもなります。 現場でうまくデザインが納まらなければ、苦労するのはあなた自身です。 そんな事は極力避けたいものです。 ですから、デザインに取り掛かる前は、建築図面をチェックするだけでなく、 必ず現場を十分に確認する事を、忘れないようにしてください。 これは、商業ビルの一角にテナントとして入居する場合も、 住宅やマンションのリフォームでも同じ事です。 プロジェクトの大小には関係ありません。 もし、あなたがオーダーメイドのスーツを、注文した時はどうでしょうか? まず、自分の身体にフィットするように、身体の寸法を測ってもらいます。 それから、生地を裁断して仮縫い。その後に一度試着して、あなたの身体に 合うかどうか、確かめてから仕上げに入ります。 しかし、インテリアの現場ではオーダースーツのように、 一度試着してから寸法調整するわけにはいきません。既製品のスーツのように 基準寸法で作る事も出来ません。寸法調整の無い、一発勝負です。 この一発勝負で、スムーズに施工を終了させるためにも、 現場の実測は欠かさないようにしてください。 もちろん細かい部分は、施工の工夫で何とかできますが、 それはあくまでも、デザインの変更が必要でないくらいの範囲までですから。 あっ、それから、もう1つあります。 実測と共に、必要なのが現場内を、パノラマ状に連続写真で撮っておくと、 デザインする時にとても役立ちます。 一枚一枚別々のアングルで撮ってしまうと、どうしても写真で撮っていない所が 出てきます。 往々にして、そこの所がデザインする時に重要な所だったりしますから。 デジタルカメラなどで、連続パノラマで撮っておけば、現場を全てカバーできますので、 後々、実施設計の段階になって、もう一度現場へ出かける必要もなくなってきます。 → 次へ |
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