今まで、誰も教えてくれなかった インテリアデザインのノウハウ

< 第5章 インテリアデザイン・施工編 > 7


◆施工知識は大工さんから 2



以下、ある時の、わたしと大工さんの会話です。


わたし:「ここは曲線の化粧材を付けたいんですけど、なんとかなりませんかね〜。」

大工さん:「この化粧材の形だと、壁にうまく取り付かないよ。」

わたし:「それじゃあ、ここから半分だけ曲線を残して、壁に取り付けられませんか?」

大工さん:「なかなか、むずかしいなあ。それより、こっちの化粧材を使ったほうが、
きれいに納まるんじゃないの。」

わたし:「なるほど、そうかもしれませんね。じゃあ、この化粧材を少し加工して
取り付けられませんか?」

大工さん:「?じゃあ、何とかしてみよう。」


翌日、現場に行ってみると、きれいに壁に取り付けられていました。
わたしは、どうして取り付けたのか、すかさずチェック。

少々むずかしい事でも、大工さんは工夫して仕事をしてくれます。
ただ、黙って仕事を見ているだけでも、結構おもしろいし、ためにもなります。
こんな人からは学ぶべき事がたくさんあります。

決して、手取り足取り教えてもらおうなんて考えてはいけません。
自分で大工さんの技術を、盗むぐらいの気持ちでないといけません。


ここのところは、デザインするのと違いますよ。
デザイン自体はあなたのオリジナルであるべきです。


しかし、

技術的なことは、どんどんマネして盗んでしまえばいいのです。
最初に、覚えてしまったほうが勝ちです。


もちろん、大工さんでなくていいんです。
施工の監督さんでもいいんです。あるいは電気屋さんや空調屋さんでもいいんです。

なにしろ現場に詳しい人ならOK。
この人達は、現場をただ完成させるだけでなく、様々な経験と知識を持っています。

インテリアをデザインする時は、いかに早くて安くできるか、
いかにきれいに仕上げる事が出来るかも、大切な要素になってきます。
デザイナーだけでは解決できない事もいろいろ出てきます。

こんな時は、この人達のアドバイスや意見が、ずいぶん参考になりますので、
よく耳を傾けてくださいね。
役に立たないことなんて、1つもありません。

一度経験して身につけた事は必ず役立ちますし、同じ事が再び起きた時は、
すぐに対応できます。

特に、デザインを始めた頃は、電気、空調、給排水の設備については、
チンプンカンプンのはずです。

こんな時は、本で知識を得るだけでなく、現場でどのように工事されているかを、
よく見ておくと、とても役に立ちます。

その上、現場で設備の責任者から、いろいろ吸収できれば、
こんなに心強いことはありません。



うまく、伝わっていますか?

インテリアデザインは、図面を書いただけで、終わりではありません。
実際に完成させなければなりません。


完成させるためには、自分ひとりの力だけでなく、多くの人達の協力が必要ですし、
現場での経験は“いいインテリアデザイン”を作るためにも大切な事です。




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