今まで、誰も教えてくれなかった インテリアデザインのノウハウ

< 第2章 インテリアデザイン・アイデア貯蓄編 > 9


◆実際に体験するのが一番 2



出張が決まると、必ず出張先にある有名な建築物を調べておいて、
出張先の仕事が終わり次第、お目当ての建物へ直行。

そんなの、タクシーに乗ったらすぐです。ほら、出張に行くと電車や飛行機の出発まで、
時間が余るときありませんか。

やはり、雑誌で見たのと全然、印象が違います。それに記憶に残ります。
その上すごく刺激になります。

中でも、わたしが一番、記憶に残っている建築は、静岡にある芹沢美術館。
竪穴式住居で有名な、登呂遺跡のそのすぐ隣にあります。

この美術館は、染色家の芹沢先生の作品が展示されていますが、
わたしは展示されていた染色の作品は、ほとんどそっちのけで、
建物ばかり見ていました。

もうだいぶ以前になくなられた、白井晟一先生の設計された美術館です。

この先生は、確か30才頃まで、ヨーロッパで哲学を学ばれてから、
その後で建築の世界に入られたと記憶しています。

わたしは、一目見ただけで、すっかり、その虜になってしまいました。
それまでは、いろいろ建物を見ても“いいデザイン”だなあと、思う事はあっても
一目ぼれなんて事はありませんでしたが、この先生の作品だけは違いました。

もうあれこれ、わたしが言う事ありません。
無条件にすばらしい。自分のデザインの参考にするなんて領域を超えています。
まさに、わたしにとって、バイブルといえるものです。

この先生の写真集をたくさん買いこんで、何度も見ています。
実際に他のいくつかの作品も、見学に行きました。行くたびに、見学するたびに、
この先生の作品が気に入ってしまいました。


・・・・・・・・・・なぜ、わたしが、このようなお話をするかというと、


デザインというのは、これだけ人に、感動を与えるという事を、
あなたにも知ってほしかったからです。


建築とインテリアでは、実際のところ、かなり違うと思いますが、
デザインには変わりありません。

だったら、私達デザイナーも、人に感動を与える事だって、出来るはずです。
感動してもらえる作品を作れるはずです。

わたしは、白井先生の建築がすごく刺激になり、デザインに対する考え方や、
その取り組み方が、ずいぶん変わったように思います。

ですから、あなたにも実際に足を運んで、いろいろ体感してほしいのです。
雑誌や本では感じ取れないものが、きっとあるはずですから。

それに、知らず知らずの間に、あなたのデザインセンスのアップにも
つながるはずですから。すぐには、目に見えて効果が無いかもしれませんが、
あなたの将来のデザインにとって、必ずプラスになる事は間違いありません。




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